Microsoft Teams「重い」はなぜ続く?―プロセス分離で本当に解決するのか

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この記事の途中に、以下の記事の引用を含んでいます。
Microsoft admits Teams eats RAM on Win doing nothing, and “fix” is another EXE


1.「Teamsが重すぎる」問題の真相:なぜ今“修正”なのか?

SlackやZoomと並び、ビジネス現場で広く利用されている「Microsoft Teams」。
しかし、多くのユーザーが共通して訴えるのは「とにかく重い」「起動に時間がかかる」「会議でカクつく」といったパフォーマンスに関する不満です。
本記事は、Microsoft公式が“Teamsのパフォーマンス問題”を認め、2026年1月から実装する「新しいEXEによるプロセス分離」という対策の詳細とその評価を通して、根本的な問題と今後の展望を考察しています。


2.「Teamsがアイドルでも1GB消費」Microsoftも認めた深刻な現状

まず、原文記事によれば、Microsoft自身がTeamsのリソース消費問題を認め、2026年1月から会議機能をms-teams_modulehost.exeという別のプロセスに切り離すアップデートを計画中です。

“Teams consistently uses up to 1 GB of RAM even when it’s idle, and it shoots up when you join a meeting. High RAM usage is not an issue on modern hardware, but Teams also takes longer than usual to start, and it feels slow.”

これは「Teamsはアイドル状態でも1GBものRAMを使う」「会議に参加すれば更に消費が跳ね上がる。
現代的な高性能PCならまだしも、起動が遅く操作ももっさりする」という実情を率直に伝えています。

さらに、

“Microsoft Teams Desktop Client for Windows will introduce a new process, ms-teams_modulehost.exe, to handle calling features separately, improving performance and startup time,”

このように、通話やミーティング系の機能を新しいプロセスに分離し、パフォーマンス改善と起動速度アップを狙うのが次回リリースの主な内容です。


3.プロセス分離の意義と、その背景にある「Web由来の重さ」

Teamsはかつて「Electron」ベースでしたが、今は「WebView2」というMicrosoft謹製のWebフレームワーク技術に切り替えられています。
本来、クロスプラットフォームの利便性や開発効率の良さからWeb技術を活用する例は多いですが、その副作用として「重い」「資源を食いすぎる」がつきまといます。

この問題について原文では、次のような背景が示されています。

“This could be because Teams is really a big web app that has to log you in, pull all your teams, chats, calendars and files, and connect to a bunch of Microsoft services.”

つまり、Teamsは中身が巨大なWebアプリ。
ログイン認証、各種チャット・チーム・カレンダーやファイル情報の取得など、膨大なバックグラウンド処理が同時に走っているわけです。
加えてクラウド連携が当たり前の今、各企業の“Teams”全体で考えれば、その総リソース消費は膨大なものになります。

さらに注目すべきは、プロセス分離の持つ「障害の局所化」的な安全策です。
たとえば、

“By moving Teams calling to a separate process, Microsoft is reducing conflict scenarios. For example, if you are in a call and a bug causes performance issues, it’ll now only affect the calling experience. Your Teams client would continue to work normally.”

会議専用プロセスにバグが起きても、チャットなどのメイン機能には影響しない。
これは“分散処理”や“フェールセーフ”設計思想の一環であり、エンタープライズ用途では特に重要なアプローチです。


4.「本質的な解決」にはほど遠い?―WebView2と“根っこ”の議論

一方で、原文記事は以下のような辛辣な指摘も展開しています。

“Microsoft really needs to dump WebView2 and go back to native code”

“Microsoft is not addressing the root issue here, which is WebView2 and bloat inside Teams.”

つまり、「プロセス分離で“見かけの動作安定”は稼げても、根本はWebView2ベースの仕組み自体がリソース食い過ぎで非効率。
もっと言えば、ネイティブアプリ開発に立ち返らなければ本質解決にならない」という強い問題提起です。

この指摘は、個人開発者やエンジニアからもよく耳にするものです。
たとえば、Windows 10時代の「UWP (Universal Windows Platform)」や純粋なWin32アプリは、動作が格段に軽く、低スペックPCにも優しかったという評価が根強く残っています。

また興味深いことに、同じくWebView2ベース化した「WhatsApp」のWindowsアプリも、やはりリソース消費と起動遅延で悪評が高まっています。
この事実は、“技術選択そのもの”への問い直しと、長期的な保守運用の観点で再考すべき課題を浮き彫りにしています。


5.ユーザー・企業が備えるべきポイントと今後の示唆

今回のプロセス分離は、“会議だけが急に落ちてもチャット部門は止まらない”など、体感的な安定性向上や障害影響の最小化という意味で歓迎できます。
とくに大規模な企業や教育機関では、Teamsの突然のフリーズ・ダウンが「社会的業務停止」につながるため、こうした保険的策の導入は現実的な妥協策です。

しかし本質論として、「なぜ今もWebView2中心の“大きなWebアプリ”を使い続けるのか?」という問いは消えません。
今後、PCの低スペック化(より多様な端末環境)や省エネ・長寿命化への流れが強まれば、こうした“アプリの重さ”はますます大きなハードルになります。

個人的には、Microsoftが「クラウドファースト」や「モバイルエコシステム」戦略を重視するあまり、“ネイティブUXの快適性”を犠牲にしすぎている印象を受けます。
本来「Windows」は、ハードとも深く結びついた快適なローカル体験が売りだったはず。
極限まで肥大化したWebアプリ技術一本槍の姿勢を、今一度、再考してほしいものです。

まとめ:「技術的負債」とどう向き合う?―「快適な働き方」への再検討を

Microsoft Teamsのプロセス分離アプローチは、“症状軽減”の意味では賢明な策です。
しかし、「Webベース肥大化」「真の最適化なきリソース消費」はビジネス現場やユーザーにとって間違いなく長期的なコスト要因となります。

この問題から得られる最大の教訓は「目先の安定と引き換えに、いつ本質的な選択ができなくなるのか?」という“技術的負債”への警鐘です。
今後、システム選定やIT投資を進める企業や個人も「本当に必要な機能は何か」「使い勝手はどうか」「将来のメンテナンス性は?」といった観点から、“付和雷同”に流されない冷静な技術選択を心がけたいところ。

あなたのデジタルワーク体験、そして未来のTeamsが、より「快適」なものとなるかどうかは、Microsoftの決断とユーザーの声にかかっています。


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